10年程前にkanna A LINE CHAIR をご購入されたお客様より、座面の張替をご依頼いただきました。

張地の破れや少しついてしまった傷が、生活の道具としてお客様に馴染んでいるのを物語っていて、とても嬉しく思いました。

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10年間お使いいただいたウォルナットの雰囲気を壊さない程度に、キズやシミ等をリペアしオイル塗装をかけ直しますと、新しい椅子にはない味わい深さが出てまいります。

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樹種特有の経年変化を楽しんだり、傷んだ座面を張替えて長くお使いになるうちにアンティークに育っていくのも、無垢材で作られている家具の醍醐味かと思います。

新しい張地でお客様のもとに帰る椅子に、家具を製作する大きなエネルギーをもらいました。

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吸い付きアリ桟という、木の反りを留める技法でヒノキのまな板を作りました。

まずは動画をご覧ください。

この様に入れはじめは緩くても反り止めの桟を打ち込むごとにキツく締まってきて板の反りを止める構造になっています。

 

接着剤を使わずに木のはめ合いだけで固定しているので木の伸縮にも対応できるのです。

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今では見る機会も少なくなったと思いますが、木の鍋蓋などにも使われています。

どこかでお見かけの際は吸い付きアリ桟が使われているかぜひ見てみてください。

 

大島

ツマミひとつとっても木目や色味があっていないと

家具全体の雰囲気を損ねてしまいます。

ツマミひとつで?と思われるかもしれませんが

金属のツマミ、木製の既製品のツマミ、木目や色味を吟味して

製作したツマミでは印象が大きく違ってきます。

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とても小さなパーツですが、大きなこだわりです。

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