アサメラという木を製材しました。

この木は比重が高く厚みもあり持ち上げられなかったので、その場で丸のこで切りました。

そして、厚みを機械で真っ二つにしようとしたのですが刃が届かず、最後は手で切ることに。

切り進めていくと木に挟まれてのこぎりを挽けなくなるので楔(くさび)を打ち込んで隙間を広げながら切ります。

今では機械で製材するのが当たり前ですが、昭和20、30年頃まではこの様に製材していたそうです。

先週のブログで椅子の修理についてご紹介しましたが、修理させていただいた椅子はダボ組みという接合技法で組み立てられていました。

 

このダボ組は接合する部材同士に対になる穴を開け、木で作られた円柱状のダボと接着剤で接合します。

ダボ組は穴の加工の精度が求められますが、専用の機械を使うと効率よく加工できるので量産家具に多く見られる組み方です。

そしてこちらは木と木のはめ合いで接合するホゾ組という接合技法です。

縄文時代の遺跡からの出土品にも見られるほど古来からある技法です。

繊維が繋がったまま相手の部材に入り強度が出るので椅子やテーブルなどの構造部に最適です。

お客様から椅子の修理のご依頼をいただきました。

接合部に隙間ができていたり、部分的に破損していたので

一度バラして古い接着剤を取り除き、組み直しました。

弊社の椅子ではありませんが、修理してまで大事にしていただけるなんて作り手としては嬉しい限りです。

朝晩はすっかり冷え込み、早くも冬の気配がしてきました。

日差しがあれば日中は暖かいのですが、曇りや雨で肌寒い日は鉋がけなどで体を動かして体を温めています。

 

鉋がけについてですが、天板や扉の幅が広い場合、板を矧ぎ(はぎ)段差を鉋で平滑に削り仕上げます。

木の繊維に対して直交に横ズリ、そして斜め方向、平行方向と鉋をかけて行くほどに徐々に仕上がっていきます。

こちらは斜め方向に鉋がけをしたところ。

仕上がりの違いでこんなにも質感が変わります。