いつもお世話になっているお客様のお宅に家具の取り外しに行ってきました。
普段、kannaの家具以外の取り外し作業は承らないのですが、今回は特別に。

アンティークの高級家具。慎重に慎重に。
古い家具ですが、とても綺麗な状態との事。
長く使ってもらえる家具は幸せですね。
kannaの家具も大切に長く使ってもらえることを願っています。

午前中、フラッシュ加工作業中でした。
木取りという作業中です。カットした木材をタッカーで梯子状に組んでいきます。
この枠はご注文頂いた家具の棚板、ダボの等の位置も考えて組んでいます。
この枠に接着剤で表面になる材料を貼っていきます。
その後、プレス機に入れて圧着、長さ幅に応じてカットします。

全ての工程において、必要分の板が完成するように計算しての作業です。
kannaオーナー曰く、頭が良くないと出来ない作業!です!

家具オーダーの際、突板の方が材料費の面でコストダウンになるとご提案していますが、手間と時間をかけて製作しています。
ちなみにですが・・・
フラッシュは軽く、反りや歪みなどの狂いが少ないのが特徴です。
表面のみに表面材を使いますので木材の有効利用にもなります。
家具によって無垢材をお勧めする物と、突板をお勧めするものがある理由を知って頂けると嬉しいです。

前回にもご紹介した品川区T様ご依頼のTVボードです。
完成形に近づいていました。分割した状態でお持ちし、
現地で設置・取付作業をして完成です。

埼玉県F様ご依頼の1つ、食器棚です。
マットな白でキッチンが明るい印象になりそうです。
同じくF様ご依頼の1つ、ダイニングテーブルの天板です。
ハタガネ(端金)を使い木材同士を強く接合しています。
いかにしっかり接合できるかによって仕上がり強度が違ってきます。

品川区W様 ご依頼の天板スリットのローテーブルです。
完成間近です。
ご使用時には見えないところにkannaの焼印が入りました。


品川区T様 ご依頼のTVボードです。
オーク材にグレーアッシュの染色をしました。
いい色味です。
これからオイル加工を施します。

品川区M様 ご依頼のダイニングテーブルです。
1月末の納品に向けて頑張って製作中です。

納品の際にはお客様のお宅に傷が入らないように養生し、注意を払いながら作業します。

 

こちらは壁面いっぱいの収納の納品風景。

何もなかった空間にパズルのように家具を納めていきます。

写真だと簡単なように見えますが、細心の周囲を払いながらの作業は精神も体力も消耗します。

ですがその分、ビシッと納めきった時の達成感はひとしおです。

 

納品事例はオーナーブログでご紹介していますのでそちらをご覧ください。

 

木は自然のものなので色味やサイズも様々。

 

一つの家具として仕上がったときに雰囲気が合うように木材の山の中から色味や木目が近いものを選びます。

 

 

テーブルの天板のように数枚並べて矧ぐ(接着する)時は並びも考えながら。

 

椅子の後脚のように歩留まりが悪い(無駄になる部分が出やすい)部材はテトリスのように組み合わせて、なるべく無駄が出ないように。

 

 

使用箇所に合わせて一枚一枚木材を選ぶのは手間のかかる作業ですが、家具づくりのはじめの一歩になる大事な工程です。

 

家具でよく使われる広葉樹には大きく二つに分けて環孔材と散孔材があります。

環孔材は水道の役割がある導管が年輪に沿って環状に配列していて、導管がはっきり表れます。

樹種で言えば、ホワイトオーク、タモ、チークなど。

散孔材は道管が散在しているので、導管はあまりはっきり表れません。

樹種で言えば、ウォールナット、ブラックチェリー、ハードメープルなど。

 

実際に見比べると樹種の色だけでなく導管の出方で質感が随分と変わります。

 

kannaではオイルフィニッシュのクリア塗装で仕上げることが多いのですが、

今回は染料を入れてホワイトオークの導管が更に浮き出るような塗装で仕上げました。

この様に導管がはっきり出ました。

スリット扉もご覧のような仕上がりに。

 

同じ樹種でも塗装方法を変えるだけで印象が変わるので、お好みの樹種や塗装方法をぜひ探してみてください。

 

あっという間に12月中旬になり、すっかり寒くなりましたね。

工房がある西宮市でも最低気温が氷点下に,…。

工房は広くて天井が高いのでがっつり着込んで作業しています。

そんな僕達に心強い味方が現れました!!

そう。ストーブです。

家ではストーブを使わなくなったので火をつけたときの匂いを嗅ぐとなんだか懐かしい気持ちになります。

 

このストーブ達で暖を取りながら年内の製作を頑張ります!!

アサメラという木を製材しました。

この木は比重が高く厚みもあり持ち上げられなかったので、その場で丸のこで切りました。

そして、厚みを機械で真っ二つにしようとしたのですが刃が届かず、最後は手で切ることに。

切り進めていくと木に挟まれてのこぎりを挽けなくなるので楔(くさび)を打ち込んで隙間を広げながら切ります。

今では機械で製材するのが当たり前ですが、昭和20、30年頃まではこの様に製材していたそうです。

先週のブログで椅子の修理についてご紹介しましたが、修理させていただいた椅子はダボ組みという接合技法で組み立てられていました。

 

このダボ組は接合する部材同士に対になる穴を開け、木で作られた円柱状のダボと接着剤で接合します。

ダボ組は穴の加工の精度が求められますが、専用の機械を使うと効率よく加工できるので量産家具に多く見られる組み方です。

そしてこちらは木と木のはめ合いで接合するホゾ組という接合技法です。

縄文時代の遺跡からの出土品にも見られるほど古来からある技法です。

繊維が繋がったまま相手の部材に入り強度が出るので椅子やテーブルなどの構造部に最適です。